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区分所有法について

マンションのような共同住宅の所有者は、全員が快適な生活を送るため、戸建住宅に比べて、その所有権について多くの制限を受けます。区分所有法ではこの区分所有権の制限を区分所有者の義務として規定しています。具体的にどのような制限があり、それに違反した場合にはどのような請求を行うことができるのかをご紹介します。

区分所有法上の規定

区分所有権は、基本的には自由に使用・収益・処分できますが、区分所有建物の特殊性から、建物の保存に有害な行為等の区分所有者の共同の利益に反する行為については禁止する規定を置いています。この義務は区分所有者の同居人や賃借人にも適用されます。

区分所有者の権利義務等

第6条 区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し、区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。
2 <略>
3 第1項の規定は、区分所有者以外の専有部分の占有者に準用する。

「共同の利益に反する行為」の具体例

区分所有者の行為が「共同の利益に反する行為」にあたるか否かは、当該行為の必要性の程度、それによって他の区分所有者が被る不利益の態様・程度などの諸事情を総合的に考慮して判断され、その行為は次の5つに分類することができます。

example1建物の不当毀損行為(躯体に影響を及ぼす行為)
隣り合った二部屋を一部屋にするために、その間の壁を取り壊すというような場合、そのことによって建物の安全性が損なわれるようであれば、それは共同の利益に反する行為となります。
共用部分の増改築は義務違反行為です。たとえば、建物の外壁に円筒型の開口部を設けて換気装置を設置すること、及びバルコニーを改造して温室にすることは、いずれも共同の利益に反する行為です。
example2不当使用行為
例えば、専有部分に爆発物や危険物あるいは極端に重いものを運び入れるような行為です。共用部分である廊下を荷物置場として使うことは義務違反にあたります。また、専有部分の使用目的を変更して使用することも、不当使用行為にあたります。規約で専有部分の使用目的を居住用と定めている場合に、専有部分を店舗、事務所、診療所、飲食店などに変更して使用し、それによって他の区分所有者に迷惑をかけているケースなどが該当します。
暴力団がマンションの一室を組事務所として賃借していた事案において、管理組合の賃貸借契約解除・明渡し請求が認められた判例もあります。
(マンション管理レポートvol.5 2012年10月 住友不動産建物サービス 品質管理部発行)
example3プライバシーの侵害又はニューサンス
マンションでは、上下左右の住戸の音などが伝わりやすく、住人のプライバシーが侵害されやすい構造となっています。お互いのプライバシーを尊重することは、円滑な共同生活を維持するための最低限のモラルであり、マンションの構造を悪用して、他の区分所有者のプライバシーを侵害する行為は共同の利益に反する行為にあたるといえます。
また、マンションでは、上階の子供が走り回る音がうるさいとか、隣室のステレオやピアノの音が大きすぎて集中して勉強することができないとか、よく眠れないなどの、いわゆる騒音問題がよく起こります。こうした騒音や悪臭、ばい煙などを発散させることにより、近隣の住人の生活が妨害されることをニューサンスといいます。他の区分所有者の受忍限度を超えるニューサンスは共同の利益に反する行為となります。
example4建物の不当外観変更
区分所有者が勝手に屋上に広告塔を設置したり、外壁に看板を取り付けたり、外壁の一部を建物の色とは異なる色で塗装したりする行為のことをいいます。
example5管理費等の不払い
管理費等の支払義務は建物の管理に関する最も基本的な義務であることから、著しい不払いは共同の利益に反する行為であるといえます。

義務違反者に対する請求

区分所有者又は専有部分の占有者が共同の利益に反する行為を行った場合、管理組合はその行為の停止要求等の法的措置をとることができます。

type1義務違反行為の差止め請求
差止めの形態には、ピアノの音がうるさい場合にその演奏停止を請求する、共用部分である廊下を荷物置場として使っている場合にその荷物を取り除くように請求する等が考えられます。差止め請求の訴訟を行う場合には、総会の過半数決議が必要です。
type2その他の法的措置
差止め請求以外の法的措置としては、①専有部分及び共用部分等の使用禁止請求、②専有部分の競売請求(いわゆる「59条競売」)、③占有者に対する引渡し請求があります。これらの請求は必ず訴訟により行い、そのためには総会の特別決議(組合員総数及び議決権総数の各4分の3以上の賛成)が必要です。

「共同の利益に反する行為」に関する最近の判例

管理組合の役員が修繕積立金を恣意的に運用した等の記載のある役員らを誹謗中傷する内容の文書を配布し、マンション付近の電柱に貼付する等の行為を繰り返し、また、工事発注先である各業者に対し趣旨不明の文書を送付し、工事の辞退を求める電話をかける等の区分所有者の行為に対して、「…それが単なる特定の個人に対する誹謗中傷の域を超えるもので、それにより管理組合の業務の遂行や運営に支障が生ずるなど正常な管理又は使用が阻害される場合には、区分所有者の共同の利益に反する行為に当たる」とした判決がでました(平成24年1月17日最高裁)。

実際にこのような迷惑行為がある場合には、まずはその当事者とよく話し合い、改善が見られないときは、理事会で協議したうえで勧告等を行うことから始め、それでも解決できない場合は上記の法的措置に進んでいきます。具体的な手続き等については弊社担当者までご相談ください。